第2のコロナに備える!企業が今やるべき感染症BCPアップデート
2025年09月30日 10:20
新型コロナウイルスのパンデミックは、世界中の企業に「人が出勤できないリスク」の深刻さを突きつけました。
一時的にBCPを見直した企業も多いものの、現在は元に戻ってしまった、あるいは形だけになっているケースも少なくありません。
しかし今後も、インフルエンザ、ノロウイルス、未知の感染症など、「第2、第3のパンデミック」が起こる可能性は十分にあります。
本記事では、「今のうちにアップデートしておくべきパンデミック対応BCP」の考え方と具体策を紹介します。
✅ パンデミック対応BCPが必要な理由
観点内容🧍♂️ 人員リスク社員・家族の感染、濃厚接触による出勤停止・欠勤🏠 行動制限行政の外出自粛・ロックダウン・学校閉鎖などへの対応🔁 サプライ停止原材料や商品が入荷せず、業務が止まる😷 顧客対応店舗・事業所の営業停止や顧客との接触制限📉 経営影響売上減少、資金繰り悪化、休業補償コストの増加
✅ 感染症BCPで押さえるべき5つの柱
分野対策内容① 感染拡大防止策- 発熱者の出社停止ルール
- 検温・消毒・換気の実施ルール明文化② 業務体制の再構築- テレワークや分散勤務の導入
- 出勤できない人でもできる仕事の見直し③ 連絡・判断フロー- 感染者発生時の社内外報告ルール
- 保健所・取引先への通知文テンプレート整備④ 物資・衛生資材の確保- マスク、消毒液、空気清浄機、アクリル板等の備蓄
- サプライヤーとの優先契約⑤ 社内ルールと教育- 行動規範(社内外の接触制限・会食制限等)
- 感染症時代の働き方教育(オンライン対応力)
✅ 実践事例:サービス業H社(福岡県)
● 背景
コロナ初期に全社員が出勤停止となり、業務が完全にストップ。
その後「感染症特化型BCP」を策定し、再発に備える。
● 導入した対策
全業務をABCランクで分類し、「在宅でも可能な業務」を明示化
発熱時は「自己申告制+即時在宅勤務」へ切替
週1日「BCPシミュレーション勤務日」を設定(リモートテスト)
取引先・顧客向けに「感染症時対応マニュアル」を配布し、信頼構築
● 成果
感染拡大時期でも業務停止ゼロ・売上維持を達成
顧客から「感染症対策がしっかりしている企業」として高評価
社員からの安心感・信頼感が向上
✅ 感染症BCPの具体的な構成イメージ(サンプル目次)
感染症BCPの目的と基本方針
感染症の想定と影響分析(BIA)
感染者・濃厚接触者の対応フロー図
リモート勤務ルール・業務分担一覧
社内連絡網と発表文テンプレート(社内/社外)
感染対策物資の管理リスト
復旧手順・再開基準の明文化
社内教育・定期訓練の実施計画
✅ 感染症BCPを見直す際のポイント
項目注意点✅ 平時に見直しておく感染が広がってからでは対応が後手に回る✅ 対象は社員だけでなく家族・協力会社も含む✅ 1回作っただけで終わらせず、年1回の更新訓練が必須✅ 過去の教訓(コロナ、インフル、ノロ)を「記録→仕組み化」すること
✅ 感染症BCPに取り組むメリット
メリット内容🛡 業務停止リスクの最小化感染者発生時も一部機能を維持可能に🤝 顧客・取引先の信頼獲得「安心して取引できる会社」という評価👨👩👧👦 社員の安心と定着家族を守れる会社としてエンゲージメント向上💼 BCP認定申請での加点対象事業継続力強化計画の認定にも有利
✅ チェックリスト:御社の感染症BCPは万全ですか?
✅ 発熱者・濃厚接触者の行動ルールが社内に周知されている
✅ 業務の一部を在宅勤務で継続できる体制がある
✅ 感染症用のBCP文書(独立 or 付録)が整備されている
✅ 物資(マスク・消毒液等)と供給先がリスト化されている
✅ 顧客・取引先へ伝えるテンプレートが用意されている
✅ まとめ:次の感染症に備える“見直しのタイミング”は今
感染症リスクは「収束するもの」ではなく、「備え続けるもの」へと考え方が変わっています。
BCPも一度策定して終わりではなく、「社会と技術の変化」に応じて進化させる必要があります。
今こそ、パンデミック対応BCPの“棚卸し”を――。
次に備えられている企業だけが、次の危機を乗り越えることができます。
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