事業継続力強化計画が承認されない理由とは?よくある不備と対策を解説
2025年03月21日 10:19
中小企業が災害や緊急事態に備えるために策定する「事業継続力強化計画」。この計画を経済産業省に申請し、認定を受けることで補助金の加点や低利融資、税制優遇など多くのメリットを享受できます。
しかし、せっかく申請しても「承認されなかった(不認定)」という声も少なくありません。
本記事では、事業継続力強化計画が承認されない主な理由とその対策について、具体例を交えてわかりやすく解説します。
1. 承認されない主な理由と対策
理由①:リスク分析が不十分
問題点:
単に「地震」「火災」などと記載するだけで、影響や優先度の分析がされていない。
自社に特有のリスクに言及されていない。
対策: ✅ 自社の業種や立地、業務プロセスに基づいてリスクを具体的に記載する。 ✅ 各リスクが事業に与える影響(売上低下、納期遅延など)も記述する。 ✅ リスクごとの優先度(高・中・低)を明示する。
理由②:対策内容が抽象的・実効性が低い
問題点:
「災害時に対応する」など、抽象的な表現のみで具体的な行動が不明。
実現可能性のない対策(予算が伴わない大規模投資など)を記載している。
対策: ✅ 実施可能な対策を記載(例:非常用電源の設置、従業員の安否確認体制) ✅ すでに実施済みの取り組みや、今後の導入予定時期なども書くと◎ ✅ 対応するリスクに対し、どのように影響を軽減するかを明示する。
理由③:指揮命令体制が曖昧
問題点:
緊急時の連絡・意思決定体制が明確に記載されていない。
誰が、どのタイミングで、何をするのかが不明。
対策: ✅ 発災時の初動対応フロー(誰が指示し、誰が実行するか)を明記。 ✅ 代表者以外の責任者も記載し、バックアップ体制を示す。 ✅ 安否確認の手段(電話・アプリ等)や報告経路も記載。
理由④:訓練・見直し体制が記載されていない
問題点:
計画を作成しただけで、運用に関する記述がない。
訓練や評価、改善の仕組みが書かれていない。
対策: ✅ 年1回以上の訓練実施予定を明記。 ✅ 結果を社内で共有し、課題の洗い出し・改善を行う体制を書く。 ✅ 半年〜1年に1回の見直し・更新スケジュールを設定。
理由⑤:申請内容の整合性がとれていない
問題点:
リスクと対策、行動計画の内容がつながっていない。
別の事業所の情報が混在しているなど、記載ミスがある。
対策: ✅ 全体の流れに矛盾がないか、第三者視点で読み直す。 ✅ 同一法人内の他事業所の情報が混ざっていないかを確認。 ✅ フォーマットや項目に沿って、丁寧に記入。
2. 審査に通るためのポイントまとめ
✅ 自社特有のリスクを具体的に記載
✅ 実現可能で具体的な対策を盛り込む
✅ 緊急時の役割分担と対応フローを明記
✅ 訓練・見直し体制をしっかり記述
✅ 全体の整合性を第三者視点でチェック
3. まとめ
事業継続力強化計画が承認されないのには、明確な理由があります。
記載内容が曖昧であったり、現実味がなかったり、運用面への言及がないと、審査で不認定となってしまう可能性があります。
重要なのは、「机上の空論」ではなく、「実行可能な計画」として伝えること。
しっかりとポイントを押さえ、事業継続力強化計画の認定をスムーズに取得しましょう!
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