災害から農業を守る!農業向けBCP(事業継続計画)のすすめ
2025年08月19日 14:12
はじめに:自然災害が経営を直撃する時代
近年、台風・大雨・地震など自然災害が頻発しており、農業経営に甚大な影響を及ぼしています。
特に北海道や東北など広大な農地を持つ地域では、一度の災害で数百万円~数千万円規模の損害が発生することも。
そんな中、農業法人や個人農家でも「BCP(事業継続計画)」の策定が急務となっています。
BCPとは?農業における役割
BCP(Business Continuity Plan)とは、災害・感染症・事故など非常時でも“事業を止めない”ための計画書のこと。
農業においては以下のようなリスクに備える内容となります:
台風・大雨によるビニールハウスの倒壊
作物の全滅による収入ゼロリスク
家畜への感染症流行
従業員の確保が困難になる場合
トラクターや冷蔵設備の損壊 など
なぜ今、農業にBCPが必要なのか?
気候変動による災害頻発
異常気象により、想定外の災害が毎年のように発生しています。農業従事者の高齢化と人手不足
緊急時に即応できる人材がいないと復旧が遅れ、致命的な損害に。販路や契約先との信頼性向上
BCPを持つことで「危機管理ができる農家」として取引先からの信頼が高まります。補助金・支援制度の対象になりやすい
例えば「事業継続力強化計画」の認定があると、補助金や融資の加点対象に。
農業向けBCPの策定ポイント
1. リスクの洗い出し
自然災害(風水害・地震)
病害虫・家畜感染症
農機の故障・盗難
燃料・資材の調達困難
販路喪失・物流停止
2. 事業の優先順位を決める
優先的に守る作物・家畜
最小限で行える業務
再開時の段階的な手順
3. 復旧マニュアルを作る
農機具・施設の点検手順
仮設対応や代替手段
外部業者との連絡体制
【実例】BCPが生きた北海道の農家のケース
2022年の台風で北海道のある酪農家では牛舎の屋根が飛ばされましたが、
BCPに基づき、すぐに代替牛舎への移動と餌の確保ができ、出荷停止はわずか3日間で済みました。
「事業継続力強化計画」認定で支援も拡大
農業法人や個人農家も「中小企業庁」の【事業継続力強化計画】の認定を受けることが可能です。
この認定を受けると:
BCPの策定支援が受けられる
補助金(ものづくり補助金、防災設備補助金など)の加点対象
日本政策金融公庫などからの融資優遇
GビズIDを取得すれば、申請はすべてオンラインで可能です。
まとめ:未来の農業を守る一歩に
BCPは大きな設備投資を伴うものではなく、「もしもの時、どう動くか」を明文化するだけでも効果があります。
農業という“自然相手”の業種だからこそ、備えが命を守り、経営を守ります。
まずは、簡単なリスクの洗い出しから始めてみませんか?
ご希望があれば、より地域や事業形態に特化した内容に調整いたします。お気軽にお申し付けください。
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