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災害で取引先が止まる前に!サプライチェーンを守る“地元共創BCP”とは?

2025年09月22日 16:10

地震・水害・パンデミック・物流混乱…。
いま、事業の「サプライチェーン」が止まるリスクは、かつてなく高まっています。
大手企業だけでなく、中小企業にとっても「仕入先の停止=即、営業停止」につながる深刻なリスクです。

その対策として注目されているのが、地元との連携を組み込んだ「サプライチェーンBCP」
本記事では、災害や物流停止に備えるための、地域の企業・組織との協働による実践的BCP構築法を解説します。


✅ なぜ「サプライチェーンBCP × 地元連携」が必要なのか?

● 1. 中小企業でも“1社依存”の危険がある

  • 材料や部品の仕入先が1社のみ

  • 倉庫や流通センターが1か所に集中

  • 輸送が1社のトラック業者に依存している

これらはBCP的に極めてリスクが高い構造です。

● 2. 広域災害では“代替先”が見つからない

  • 台風・大雪・地震で同じ地域の業者が一斉に停止

  • フェリー・高速道路の遮断で本州からの調達がストップ

地元内での調達・支援体制が命綱になります。


✅ サプライチェーンBCP × 地域連携の考え方

連携対象目的・メリット例地元仕入先原材料・部品の代替供給ルート確保協定を結び、緊急時にお互いの在庫を融通同業他社相互バックアップ体制製造委託・納品代行・倉庫シェア商工会・自治体情報共有・支援体制の早期化支援物資や輸送の優先順位付け地元物流業者ルートの多重化・緊急輸送確保災害時ルートシミュレーションの実施


✅ 事例紹介:北海道・函館市 食品製造業C社の例

課題: 本州からの冷凍食材の仕入に100%依存。地震でフェリーが止まった場合、3日で原材料が尽きる状態。

対応:

  • 地元の食品卸と「原材料相互提供協定」を締結

  • 近隣3社と「製造ライン相互利用の覚書」を交わす

  • 地元運送会社と「緊急配送優先契約」を結び、ルート分散を図る

  • 協力関係をマップ化し、社内BCPマニュアルに組み込む

成果:

  • 2023年の大雪時も営業停止なし

  • ものづくり補助金申請時に地域共助BCPの加点対象


✅ 地元連携型BCPの構築ステップ

  1. 自社の供給依存リストを作成
     → 「この部品/サービスが止まったら困る」ものを書き出す

  2. 地域内の代替供給先・協力候補をリストアップ
     → 商工会議所・同業団体などに相談

  3. 協定・覚書を締結(相互支援型)
     → 災害時だけの協力や、代替納入の条件を明文化

  4. マップ化とマニュアルへの統合
     → 地元連携BCPネットワーク図を社内で共有

  5. 年1回の合同訓練や情報交換会を実施
     → 形式ではなく“顔の見える関係”にする


✅ 地元連携のヒント:こんな先とつながろう!

  • 📦 町工場・小規模製造業:緊急時の一部生産委託が可能

  • 🛒 スーパー・卸売業者:在庫・冷蔵設備を持つ地域拠点

  • 🚚 物流倉庫・運送業者:一時保管やルート代替の鍵

  • 🤝 地域の商工会・中小企業団体:仲介や連携推進支援をしてくれる


✅ 地元連携BCPのメリットまとめ

メリット内容⚠ 供給リスクの分散1社依存からの脱却で停止リスクを最小化🤝 地域全体の防災力向上顔の見える連携で迅速な対応が可能💼 認定・補助金での加点要素BCPの「実効性」が評価されやすい💬 社員や顧客への安心感「企業は孤立していない」という安心材料に


✅ 実践アクションチェックリスト

✅ 原材料や物流の依存先が1社に偏っていないか?
✅ 地元の企業と災害時に助け合える関係があるか?
✅ 自社のBCPに、地元との連携マップが記載されているか?
✅ 年1回、連携企業との見直し・訓練をしているか?
✅ 商工会や行政とBCPについて意見交換しているか?


✅ まとめ:地域と組んで「止まらない企業」に

  • 災害時、“社内だけ”では乗り越えられない時代に

  • サプライチェーンを地域で支える「共助型BCP」が求められる

  • 顔の見える連携が、企業と地域をともに守る力になる


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